2013年のコラム

   

今月のひと言

当社のコラム担当 「今が好き♪」 氏のコラムです。毎月連載します。

    
2013年 12月号 「自爆営業」
11月号 「終活」
10月号 「刺れ墨」
9月号  「防災無線」
8月号  「テレビ好き」
7月号  「ポイントカード」
6月号  「裁判員裁判」
5月号  「畑仕事」
4月号  「振り込め詐欺」
3月号  「100円ショップ」
2月号  「古希」
1月号  「数え年」
コラムTOP
12月号 「自爆営業」

 郵便局員の「自爆営業」が新聞で報じられた。要するに年賀はがきの販売ノルマを会社から課され、社員それぞれが親類や友人などに規定量を販売しなければならないとの決まりだが、数千枚から一万枚ほども割り当てられて売りきれず、しかたなしに金券ショップへ割引料金で売り、割引分は自腹で補てんする負の営業活動のこと。ノルマの達成ができなければ昇給・昇格など待遇面への影響必至という会社の圧力によるもので、泣く泣く従わざるを得ないというのが実情。自社製品の拡販のために社員に販売ノルマを課すのは何も日本郵政に限ったことではないが、自腹金額が数万円にも及ぶとは社員もつらい、しかも毎年だ。保険会社・銀行なども期末やキャンペーン時は期間終了直後に解約してもいいから契約してほしいといった依頼がしょっちゅうだし、ノルマ達成のため解約時の差額損は自爆している例もある。劇団の発表会や演奏会なども団員に入場券の販売ノルマが割り当てられ、自爆買い取りで他人に無料で配ったりしている。

 年賀状に限れば、電子メールの普及や筆離れの影響で売れ行きは下降傾向が止まらず、その分余計にノルマがきつくなり、非正規社員も巻き込んで不満がくすぶっていたに違いない。会社は世の中の変化に対応するどころか、こうした虚偽ノルマ達成を防止するため金券ショップを見回っていたと言うからあきれる。永年の年賀状に頼る体質から脱し、別の商品の開発・新しい営業体制や営業手法の創出に努力することが企業本来の生き方のはず。

  近頃、またぞろ企業の不正・偽装が目につき、うんざりだ。阪急阪神ホテルズのレストランのにせ食材使用から始まった食品偽装はほぼ全ての有名ホテル・レストランで発覚、デパートのおせち料理も同罪。ぬけぬけと誤表示などと言い替える社長のずうずうしさは創業社長であったらあり得ない。とはいっても芝エビとバナメイエビの味の違いが判るグルメ人や料理人がいるのだろうか。30万円で売れなかった訪問着に100万円の値札をつけたらすぐに売れたという話があるくらいブランドと一流に弱く、騙され易くお人よし揃いの我が日本人。この国民性が企業不正の温床になっているのかも知れない。と言うことで次はクール宅配便。その次はどこもかしこも自爆営業か。   


11月号 「終活」

  就活・婚活という言葉が定着しだしたところで今度は『終活』だ。終末活動の略称だろうか。要するに死に向けて遺言を残すのみでなく、これを拡張して物心両面の身辺整理と合わせて、生分の反省をしたり、近親者に死後のメッセージを残したりすることらしい。こうした事柄をまとめるためのエンディングノートなるものが売れているという。そろそろ死を考え、いろいろ準備しておこうなどと考えだすのは幾つぐらいからなのか不明だが、ノートは別にして、骨壷の自前調達、お墓の購入、戒名や葬式にこだわったりと結構広い年代で死後の準備を始める人が多い。

 かく言う筆者は明日か20年後か、いつとも分からない死後に迷惑を掛けないよう終活するくらいなら、死ぬ前に迷惑をかけないよう生活(生存活動)すべきだと思っている。認知症や事故・脳梗塞などの傷病で死を前にして長期間世話を掛けておきながら、死後はエンディングノートの指示通りで問題なしが最良なのか。むしろ、手間隙掛けず安楽に死を迎え、終わりよければすべて良し、最後は満足だった一生を終えたい。一方遺言が無い分死後に迷惑が及ぶ場合があるかも知れないが、死後は野となれ山となれで生きている人に任せ、と言っても死者の生前の言動を基にした判断で、葬儀も相続や形見分けも行われるはず。遺言やノートがなくとも恨まれることはなさそうだ。
 
 最近、終活の広まりと共に、遺言の是非が問題になりつつある。遺言による財産分与で、家族が知らなかった団体への寄付や特定の相続人に厚いあるいは冷たい処遇が記されて、兄弟間で争いが始まったり、葬儀形式や埋葬法などよけいな指示があったりで、むしろ遺言が無い方が生きている人のペースで一連の処置が行え、問題が少ないケースも見られるとのこと。遺言を残す場合は、いきなりこうしたことが公にされないよう、生前に意向を伝えておき、死後にこじれないよう気配りが必要だ。
 
 一昨年、家人の父親・今年家人の母親と筆者の母を亡くし、葬儀から相続まで一段落したところだが、判ったことは預貯金や不動産の相続で面倒なのが、窓口が近所に無い株式の所有権移動と一回で手続きが済まない郵貯の引き出し。遺言をする気はないが死ぬまでに郵貯と株式は処分しようと思っている。
 


10月号 「入れ墨」

 ニュージーランドの先住民マオリ族の女性がアイヌ語復興講演先の北海道恵庭市の温泉で、顔に『入れ墨』があると言う理由で入浴を拒否されたというニュースが伝えられた。本当の話とは信じられない温泉側の対応に呆れてしまう。温泉に限らず、浴場やゴルフ場で入れ墨御断りの表示をよく見かけるが、暴力団抗争が激しかった7・80年代ごろから一部の入浴施設が始めたもので、もちろん暴力団員を排除することが目的。その後、取り締まりの強化や住民意識の高まりで暴力団事務所反対運動が起きたりしてお断り表示がやり易くなったのか、入れ墨をしていないお客様確保のために表示施設が増えて今日に至っている。なんでもかんでもお断りは行き過ぎだが、とうとう今回のように主旨を逸脱した、明らかな一般人を忌避するというバカの一つ覚え的愚行が起きてしまったというわけだ。口の周りに入れ墨をしたアイヌ民族の女性も同様の扱いを受けていたのだろうか。

 小学生時代までもっぱら近所の銭湯へ通った筆者は、背中一面の龍や不動明王の入れ墨のお兄さんによく遭遇し、かっこよさにまじまじと見いったものだが、大人たちも特に警戒する様子はなかったと記憶している。江戸の昔から火消し・鳶職・大工などもろ肌・片肌脱ぎで仕事をする職業では入れ墨は当たり前のことで、威勢の良さで尊敬される存在だったはず。花柳界にも墨を入れているお姐さんがいたほどの流行りようだったが、任侠道という社会正義が明治維新以降、時代と共にやくざや暴力団に変貌して、入れ墨が不当な扱いを受けるようになってしまったのだ。遠山の金さんもさぞ悔しい思いをしているに違いない。倶梨伽羅紋々は別にしても民族の慣習としての入れ墨、タトゥーシールや小ぶりの彫り物などファッションとしての入れ墨は何ら風紀をみだすものでも、周囲に威圧感を与えるものでもなく、こうしたものまで排除する必要は全くないはず。
 
 2020年の東京オリンピックが決まってお祭り騒ぎが続きっぱなしだが、入れ墨アレルギーのない海外からは水泳を始め、ボクシング・レスリングなど入れ墨のある選手が多く参加するはず。こちらは見て見ぬ振りと言う手もあるが、ここらで入れ墨お断りの見直しが賢明な策かもしれない。


9月号 「防災無線」
 『防災無線』の屋外スピーカーが家の近くにあります。実は30年あまり住み慣れたあきる野市から、家人の実家である西多摩郡日の出町に転居しました。きっかけは本稿5月号「畑仕事」に一部紹介しましたが、子供二人に従来の家を託して、我々夫婦であきる野市から隣町に転出です。あきる野市在住時は防災無線端末が遠かったせいか、放送がよく聞こえず、窓をあけても火事・迷子・お知らせなど内容がいくらか判る程度でした。風向きによっては日の出町の放送も聞こえてきたりで関心はありませんでしたが、今度の住居は町役場に近く、深夜の火災発生などの緊急放送がダイレクトに聞こえて、時々目を覚まします。これが緊急信号のブザー音に続いて、放送内容が数文字ずつ、数秒おいてゆっくり伝えられ全く緊急感がありません。こだまや距離の異なるスピーカー音との重複を避けて間延びした放送になってしまうようです。こうして住民の目を覚ましておいて、多くは「先ほどの‥‥火災‥‥発生は‥‥間違い‥‥でした。」と来て、その後ツープツンと静かになります。事実確認をどういうシステムで行っているのか不明ですが、ことほど左様に両地域では誤報が多く、役に立つ放送を聞いた記憶がありません。

 一度、山梨県の勝沼あたりをドライブ中に防災スピーカーから、ゆっくり口調ながら「ただいま当地域内に、振り込め詐欺の電話がかかってきています。騙されないよう注意ください」といった意味の放送を聞いたことがあります。この放送で難を逃れた住民もいたのではないかと感心した次第です。もっとも日の出町でも朝8時と夕方5時半に定時のお知らせ放送があり、朝のNHK「連続ドラマ」と日曜日の日テレ「笑点」の放送時間を教えてくれると言う利点があります。
 
 市町村レベルに限らず、国レベルでも始末の悪い防災情報発信があって信用できません。つい最近、会社での仕事中、ほぼ全員のケータイがいきなり警報音を鳴らし、騒然。8月8日の奈良県での地震警報でしたが、結果的にシステムのノイズ対策の不備による誤報と判明。例の東日本大震災後も頻繁にこうしたエリアメールを受信しましたが、有効で助かったなどと言えるものは皆無で「おおかみ少年」警報ばかり。本気で行動すべき情報はどう判断すればいいのでしょう。


8月号 「テレビ好き」
 『テレビ好き』というわけではありませんが、NHK朝の連続ドラマはここ十年以上かかさず見ています。NHKは再放送番組が多く、連続ドラマはその最たるもの。現在放送中の「あまちゃん」は総合朝8:00を中心に昼再放送、BSプレミアムでは総合より早く7:30から放送、更に夜11:00から再放送と日に4回同じ番組が見られます。おかげで見逃すことはあまりありません。だめ押しにBS土曜日午前中に一週間分全てをまとめて再放送するというサービスぶり。他に総合では日曜日早朝と昼前の2回、ダイジェスト版の放送もあるとのことで、ひいき番組ながらサービスと言うより再放送で番組枠を埋め、制作費を浮かしているように思えます。録画機器も普及している今、これほどしつこく再放送する必要があるでしょうか。朝夕のニュースの時間帯でも同じニュースが繰り返し紹介され辟易です。

 もう一つのひいき番組は、日テレの「笑点」です。日曜日午後5:30は自宅にいるよう心がけますが、ままにならず。出先で大喜利の時間帯だけでも車に戻ってTVを見たりしています。落語家が出演するバラエティ番組では60年代のフジテレビに春風亭柳昇の司会で「お笑いタッグマッチ」と言う昼番組があって、よく見ては笑っていたのを覚えています。当時学生でしたが授業をさぼって見ていたのでしょうか。落語家の機転と発想力好きです。最近「笑点」もディレクターズカットと称した拡大番組をBS日テレで始めました。再放送と違い時間が伸びた分楽しめますが、やはり本放送の凝縮された面白さは魅力です。
 
 さて、TV放送でのクレームをいくつか独断で述べてみます。まず、見たくないものは歯並びの悪い女性・政治家など年寄りシミの大写し顔・画面下の子窓に挿入された顔・お涙期待の目元大写し・箸の持ち方を知らない女性の旅グルメ番組など。聞きたくないものはNHK「にっぽん縦断こころ旅」火野某のようなだみ声・音声変換されたキーの高いダッグボイス調の匿名声などです。ついでですが、特になにもすることが無く頭も体も使わず、日がなテレビを見ていると認知症発症率が高まると言われています。せめて番組のあらさがしでもしながら見ていればボケ予防になるでしょう。その気になればいくらでも見つかります。


7月号 「ポイントカード」
 机の引き出しから「ダイヤモンドシティ」なるショッピングモールの『ポイントカード』がでてきた。もう10年ほど前、武蔵村山市の日産自動車工場跡地にオープンした大型店舗のもので、その後「村山ミュー」となり、更に現在は「イオンモールむさし村山」と改名して営業を継続している。当初はこうしたモールが少なかったせいで、筆者の住む西多摩方面からも買い物に出かけたが、その後、自宅からより近い国道16号沿いの「ザ・モールみずほ16」や「イオンモール日の出」が開店したり、昭島市の今では老舗となった「モリタウン」がリニューアルされたりで村山へは足が遠のいてしまった。 先日、家人と娘がこのむさし村山に行くと言うのでこのカードを持たせた次第。結果、ポイント(以下Pt)は消滅するが現行カードに書き換えればすぐ使えるとのこと。Ptの仕組みは、100円で1Pt、50Ptたまると1回スロットゲームが出来、絵柄が当たれば100円か500円の買い物券がもらえるがハズレは5Ptになると言うシステム。要するにはずれは、たまった50Ptが5Ptとなってサービスにならない仕組み。家人は気に入らなかったようでカードは不要と答えた由。

 ポイントカードのサービスについては各店舗でまちまちだが、筆者が歓迎しているのは東急ストアのそれ。200円で1Ptとサービス点は低いが、たまったPtがレジでそのまま1Pt=1円として使える。昼食は勤務先の立川店でパンとヨーグルトを買って済ましているが368円の会計ならPtで8円の支払いが可能と、小銭の用意が不要、お釣りで財布に1円玉が増える心配も無し。もちろん368円以上Ptがあれば全額Ptで支払い可能と便利。一般には500Ptあるいは1000Ptたまったところで発券機で買い物券に換える仕組みが多いが、東急ストアはレジで一括処理するため発券機が不要、客側は単位Ptまでためる必要が無くいつでも全額使用可だ。住まい近くには秋川店もあり重宝している。町の商店街もおおかたこの方式らしい。
 
 スロットゲームは立川駅の「グランデュオ」にもあって、いつもマシンの前は行列だ。買い物をしなくても1日1回に限りカードでスロットを回せて、運がよければ20・50・100Ptが当たる。外れてもPtが減ることも無い。イオンモールむさし村山の減点システムはいただけない。


6月号 「裁判員裁判」
 『裁判員裁判』が始まってこの5月で4年が経過した。結審の迅速化・民意の反映・客観性の確保などを狙って、法曹界に新風を吹き込む制度として施行されたものだが、実施後の判例や経緯が蓄積されるに従って、課題も指摘されるようになり、見直し論も出始めている。対象が殺人・傷害致死・強盗など一般に罪状の重い刑事裁判であるだけに、これら被告と向き合い、素人なりに的確な判決を下すこと自体、考えてみれば非日常体験で大きなストレスとなることは容易に想像できる。
 惨殺写真を見せられて精神障害と診断された裁判員が国を提訴したり、裁判員に選任されること自体が苦役の強要に当たり憲法違反だとの見解がでたりして、制度のあり方が注目されている。
 
 ところで、もう白状してもよさそうだが、かく言う筆者も裁判員候補であった。ことの起こりは一昨年秋、貴殿は裁判員候補者名簿に記載されたが口外無用、追って沙汰のあるまで待て、といった内容の通達だ。じっと口を閉じてつらい日々だったが、忘れかけていた昨年5月、裁判員として応諾を求められた。よほどの理由が無いと断れない文面。興味もあって応と返信、日当等の振込口座も同時申告だ。ほどなく、7月3日東京地裁立川支部刑事第3部に出頭せよ、「平成23年(わ)第15XX号事件」の裁判員選出を行うとの通知。出かけると対象候補者25名のところ1名無断欠席、男性15女性9名が参集。担当裁判長・裁判官・検察官・弁護人が紹介され、当日の段取り説明と裁判長による数名ごとの簡単な面接。我々の中から裁判員6名・補欠2名をくじで選ぶとのこと。結果、筆者は落選。男女各3名の裁判員と補欠男性2名が決定された。くじとは言いながらくじ引きの現場は非公開、選出された人の年齢や職業風体はいい塩梅に分散し、本当にくじだったのか疑問。出頭1時間余りでこちらはお払い箱となり、落選者たちの安堵と落胆ないまぜの気配を察してか、裁判所内の法廷見学が用意され、一同このツアー後散会。

 平成23年5月発生の日月警備保障立川営業所の6億円強奪事件の実行犯の裁判が対象。この営業所は筆者の通勤路にあって、事件の翌朝は営業所前が通行止めだったのを覚えている。候補者任期は1年限り、この事件の審理に参加してみたかったのだが‥‥。


5月号 「畑仕事」
  『畑仕事』を始めようと思います。70歳を機に何か新しいことを始めるつもりでしたが、全く経験のないこととなると適当なものが見つからず、趣味の拡張は今のところ未達成です。もっとも、盆栽・ドライブ・ゴルフ・カメラ・Nゲージ・大工仕事などで毎日ひまということは無く、無理に新しいことを始める必要はなさそうというのが結論。なまじよけいなことを始めると、時間もおこづかいも足りなくなりそうです。 

 というわけで畑仕事。もちろん初めてではありません。毎年家人の実家で育てる野菜づくりに労働力を提供し、畑仕事と言えるか否かは別にして今の時期、裏山での竹の子掘りは永年筆者の担当で、毎年100本以上を収穫しています。自宅でもきゅうり・ゴーヤ・ミニトマトなど簡単なプランター栽培も行っていて、もともとこの地域では土いじりに平均的なかかわりを持っていると言えますが、より主体的・本格的にやるはめになったということです。
 
 ことの起こりは、昨年9月の家人の父親の逝去に続く母親の他界です。今年2月、早々と夫を追って逝ってしまいました。没年88歳。このおばあちゃん、もともと、土建業を営む良家の娘で農家出身ではありませんでしたが無類の畑好き。おじいちゃんが畑に出なくなっても、道路を越えてこつこつ畑がよい。心臓の持病があり、医者に運動を止められてからは自宅周辺の土地にサツマイモ・なす・ピーマン・落花生などを栽培。入院中は娘である家人に移植や施肥・除草などを指示していました。故人が手入れをした昨年産の男爵芋はいまだに食べきらず、大根は3月頃に収穫、ねぎや野良坊菜はまだ畑に残っている状態。さやえんどうは花盛りとおばあちゃんの丹精の跡が今も屋敷周辺に多く残ります。実家と土地の多くを相続するとなれば、家人が母親の意思を継ぎたいと思うのは当然。例年10kgでしたが今回は5Kgと種イモを半分にして、すでに3月末にキタアカリとメイクイーンの植え付けが終わりました。ほどなく芽摘み・土寄せ・追い肥などの農作業に駆り出されます。農地もほおっておけず、作業小屋や農機具も完備、腐葉土や肥料も山のように残っていては畑仕事から逃げることはできなそうです。運動不足の解消と実益を兼ねて、野菜作りも趣味の一つに加えることにしました。


4月号 「振り込め詐欺」
  『振り込め詐欺』の被害がいっこうに減らない。オレオレに代表される電話詐欺で、すでに10年の実績だ。息子や孫になり済ました犯人からの電話を真に受けて毎年30~50億円がだまし取られている。近頃ではATMの送金額が制限されたり、銀行の監視があったりで振り込み手段による古典的詐欺は減少傾向だが、替わって友人などなり済まし犯に自宅や指定場所で現金を手渡してしまう被害が増加。更に税金の還付手続きを装って経費を送金させる手口や、警察や銀行を語って家を訪問、キャッシュカードなどをだまし取るなど新手も登場。お人良しと金持ち老人の多い我が国特有の犯罪らしいが、だましのアイディアはこれからも出るに違いないからご用心。

 被害者像の典型例は二人または一人暮らしの70歳以上の女性。もちろん小金持ちが条件。
こうした親や祖母がいる人は要注意だ、見守り・報連相を密にしたい。
 
 かく言う、筆者宅にも息子を装った電話があった。昨年3月、家人一人の夕時で「俺だけど」の出だしで携帯番号を変えたとのこと。息子は当時一人暮らし。声が違うようだと思う間もなく風邪気味と言うので大丈夫?などと応じたが、ふと「今どこよ」と聞くと、「会社だよ」の返事。「えっ、お前いつ就職したの」これで疑問が膨らみドキドキだったと。息子はフリータで週に一度は家に戻るし、メールも時々。就職すればすぐに知らせるはず。友達の会社とか言ったようだがこちらは沈黙、その内電話が切れてツ-っ。すぐ当の息子に連絡してオレオレ詐欺と判明、その夜は筆者が帰宅するまで不安だった由。先方のデータ不足で難を逃れた感じだ。翌朝、警察に通報すると間をおかず刑事がやってきて、騙された振りをして通話を続け、言いなりになってほしかったと無理な注文。その後の仕返しや嫌がらせを恐れて、実害が無い場合は通報しないケースが多いとのこと。次はうまくやってくださいには、家人と顔を見合わせてしまった。
 
 振り込め詐欺やオレオレ詐欺の呼び方も手渡しや還付金詐欺などが増え、実態と合わなくなったとして、犯人が接触してきた途端、直感的に犯罪と分かる新しい呼び方を警視庁が募集している。金とり電話・貯金どろぼう・だまし取り詐欺‥‥今、考え中‥‥。
(編集部注:新呼称は4月10日応募締切・警視庁ホームページ参照)


3月号 「100円ショップ」
 『100円ショップ』で買ったキッチンバサミが重宝しています。筆者の場合はカップめんやそばつゆに入れるねぎをはさみで切ります。家人には不評ですが、こうするとまな板が不要で後始末が簡単。他にも自分専用の小型フライパンがあり卵焼きに使います。これも使用後はキッチンペーパーでふき取るのみ、5・6年使っていますが脂がしみ込んでいい具合に焼けます。100円で一番感心しているのは歯磨きに使うプラスチックのカップ。登山用品店や百貨店で求めた高額デザインものなどは3年ほどでシミやカビがつき最後は捨てる羽目になりますが、100円製品は10年近くたっても汚れがすぐ落ち、キズも付いていません。マイナーなお店で買いましたが、材質は何なのでしょう。老眼鏡も外出時や会社使用のものは別にして、居間・寝室・洗面所・風呂場・庭といたるところに100円が置いてあり、即応態勢完備です。所詮は安物と言う割に結構間に合うものが多くなりました。

  一方、商品が豊富なことと安さのせいでついつい買いすぎ。使わなかったり、筆記用具・工具などは今一今二で、結局あとでそれなりの正規製品を買い直したりしますから、安くても要不要の判断とそれなりの吟味は必要です。「安物買いの銭失い!」とはよく言ったものです。
 筆者の3女は結婚して上海住まい。時々帰国しますが、その言い分が面白い。「日本の100円ショップは高くて買えない」そうで、彼の地ではほぼ同じ品ぞろえが2元ショップで買えるとのこと。1元・3元・5元店などもあって、日本の100円店をヒントにしながらバラエティは豊富。上海で2元(邦貨で28円)の物を輸入すれば日本では100円になる勘定。他方、10元・15元均一の大型チェーン店もあって、より高価な自国製品とともに、質の良い日本製の100円均一商品を輸入して販売しているとのこと。こちらは逆に100円の日本製品が140円や210円で売られているわけです。

 我が国ではすでに2000店ほどの100円ショップが営業中で、最大手の大創産業は年商500億円に届く勢いで大型店を展開中。ダイソーに続くキャンドゥ・セリア・シルクなども台頭して百花繚乱状態ですが、食品など物によってはスーパーの方がお得商品もあって、うまく利用することがコツでしょうか。


2月号 「古希」
 昨年、70歳の『古希』を迎えた。古来稀なりと言われてきた年齢だが、今、普通なりで全く達成感がない。最近の簡易生命表によるとこの年の平均余命は14.96年あって、特に大事が無ければ85歳までは生きていられる勘定。更に85歳到達時は余命5.96年であるから90歳まで大丈夫そう。その後めでたく90歳になったら、ここでも余命が4.19年もあって‥‥、統計上はいくつになっても明日はあるのである。
 ところで余談だが、筆者の誕生日は11月30日。この誕生日には他の日にはない特徴があって、常に年齢を年月日まで正確に把握できる。本稿は1月22日の執筆であるが、この日の筆者の年齢は70歳1ヵ月と22日と云う次第。誕生日以降の経過日数がその日の月日に同じなのだ。
 
 さて、昨年は運転免許の更新年でもあった。70歳以上は自動車講習所で
「高齢者講習」を受けてから警察署で更新手続きをせよとの通知が郵送され、10月に入って最寄りの羽村自動車学校に予約を入れて出かけた。これが受講料5,800円也。当日の受講者は9名で、同年齢ながら、ベテラン風から大丈夫?といった人まで様々。教官3名が講習・試験を担当。交通事故分析・安全運転のビデオ講習後、シミュレーターによる運転時の反応速度・
正確度・反応むら・ハンドル操作などの適性検査。更に視野角度測定、静態・動態視力検査、トンネル出入り口を想定した視力回復時間測定と盛りだくさん。締めくくりは講習所コース内を実車運転と高齢者には結構ハード。
 運転は自車持ち込み不可で、マニュアル派運転者にはすぐ慣れるからオートマチックでやれとか、足の悪いご婦人は特装車で手のみで運転しているとのことだったが、運転試験は無しとかなりいい加減。修了証に合否や成績証明はなく、ただ講習終了と記載されているのみ。若者の自動車離れで講習所はガラ空き、替わって高齢者が鴨となったことが見え見え。青梅警察署での更新は修了証の提出により検査は視力だけ、10分もかからず新免許証が交付された。これでも手数料は2,500円と従来通りだ。こうした適正を斟酌しない安易な更新の一方で免許証の自主返納を奨めるなど、チグハグな免許制に問題は多そうだが、ご同輩諸氏の適正な安全運転を願いながら、ドライブの楽しみを続けたいと思っている。


1月号 「数え年」
 自民党の大勝利で年が明けました。野党での3年あまりの間にどんな実績があったのか不明ですが、民主党の短命失政内閣とこちらも実績のない新政党の乱立に助けられ、その上悩んだ有権者が仕方なしに選んだ結果がこれだったのでしょう。小選挙区制も優勢な党により有利にはたらき、失礼ながら、あまりの出来すぎにかえって不安になります。今度は国民の選択が正解だったことを願うばかりです。
 
 さて、今も昔も子供にとって一年中で一番うれしい(はずの)正月がきました。筆者の子供時分は『数え年』が一般的で正月と同時に年を一つとる習わし。年をとって大人に一歩近づくことが何か新年にふさわしい気がしてうれしさ倍増でした。

 この数え年、誕生するとすぐ1歳、以後正月ごとに1歳加算し、誕生日は無視する方法。極端な例では12月31日生まれは翌日2歳で、現在の満年齢と比較すると1~2歳年上となります。古来この数え方で戦後まで続きましたが、就学年齢や資格取得等の年齢が同年齢一律で規定できず、昭和25年1月1日施行の法律により、誕生日の経過数を数えて年齢とする満年齢を公式に使用するよう義務付けられました。これ以降でも相応の高齢者は数えで自分の年齢を言ったりしますから確認が必要です。また七五三や古希・喜寿などの年祝いは本来数え年でしたが、今ではどちらか好きな方で祝っているようです。還暦はいずれで数えても干支回帰の年となりお祝の暦年は同じとなって混乱はありません。一方、厄年は現在でも数え年。葬祭の年回忌も一周忌(没後翌年の命日)を除いて三回忌以降は数え年が用いられています。
 
 厄年は陰陽道起源のようですが詳細不明。遠く平安時代から文物に記述があり、時代や地方・宗派で年齢がまちまち、江戸時代以降で今日の形になった模様。男性数え25・42・61歳、女性19・33・37歳が本厄とされ、前後の年に前厄・後厄があります。厄年では災害凶事に遭う率が高いとされていますが、医学・統計学上から根拠は無きに等しく、男性では還暦祝いと厄が同時というのも合理性に欠けます。とは言いながら、還暦以降は厄年無し。江戸時代の平均寿命からして還暦以降はご褒美として厄年が存在しないのです。脱厄年のみなさん、本年も無病息災でお過ごしください。

ページのトップへ戻る